赤黄色のバウムクーヘン

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アルバム紹介『TEENAGER』フジファブリック 後編

アルバム紹介『TEENAGER』フジファブリック 後編

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今回は7曲目から書き記そうと思う。アルバム前半6曲については↑から。

 


7.Suffer King

8枚目のシングルであるこの曲。

東京スカパラダイスオーケストラスカパラホーンズが参加している。

管楽器の音色が間奏でとても良い味を出している。

 

曲全体を通して言葉遊びがおもしろい。

ただ、一番驚いたのは「波」と「彼」で漢字の並びで表しているところ。

「サーファー」という言葉から「彼」と繋がるのは何故?と歌詞を眺めていると

何故?という疑問が浮かび、そして一つ気がついた。

「波」とは曲中一度も言っていないが、「サーファー」と言ったら「波」が連想されるよなと。

 

恐らく志村正彦さん狙っているよなあ。凄い。

 

 

若者のすべて』とは別ベクトルの夏曲で

頭を空っぽにしてテンション上げたい時に聞きたい、ノリノリな一曲!

ライブでもとても盛り上がる。

 


8.ロマネ

『ロマネ』ってなんだ?と調べてみると、「ロマネ・コンティブルゴーニュワイン)」が作られている葡萄畑がある村を指しているらしい。

ワインについて詳しくなくても「ロマネ・コンティ」は知っている。今後も飲む機会があるかは何ともいえないレベルのお酒であるが。

 

Queen』を連想させる曲だなと思うが、歌詞の中でも言及されている。

 

さりげない、遠回しなラブソングだと聴いていて思う。そのさりげなさが心地良い。

時折、志村さんの本音のような感情が垣間見えるのもいい。

 

間奏のギターソロは志村さんが弾いているとのこと。このギターの音が好きなんだよなあ。

 


9.パッション・フルーツ

9枚目のシングルであるこの1曲。

 

初めて聴いた時のことを今でもよく覚えている。

「この曲、シングルで販売されたの?ぶっ飛んでるバンドだな」と。

それがどういう意味かは言及しないでおく。恐らく多くのリスナーが一度は考えたはず。

 

ちなみにライブで演奏されると「お、きた!」とテンションが上がってしまう。

 

曲全体を通して聞こえる、ギターのカッティングの音が耳に気持ちよく残る。

キーボードの音色がどこぞの民族音楽感を醸し出している。

サビ前のドラムの音が「それ!それ!」とハマっていると思う。

 

パッションフルーツ」は魅惑のフルーツという意味と「passion(情熱)」を掛けているのだろうか。歌詞が官能的。

 


10.東京炎上(Album Mix)

7枚目のシングル『青い鳥』のカップリング曲のアレンジ版。

 

題名からぶっ飛んでいる一曲。歌詞の意味も非常に難しい。

志村さんってストーカーをするのが得意だって、テレビで尾行術を披露していたことがあったし、街中で誰か追いかけたことがあるのかな。

追いかけてられている相手は魅惑的な感じを醸し出している。

そして追いかけている相手はテンションが上がっていると。

 

開幕の静けさから、一気に展開が変わり加速する。

力強いドラムにキーボードの音が雰囲気形成に色濃く反映されている。

 

 


11.まばたき

先の『東京炎上』から雰囲気がガラッと変わり、心を落ち着けてくれる一曲。

この時リードギターで、現ギターボーカルの山内総一郎さん作曲。

 

曲調が穏やかな中、歌詞の内容は間接的で意味深。

 

「瞬きを3回してる間に 大人になる」

この表現の解釈がとても難しい。全くわからない。

時間の経過としては早過ぎるため、比喩的表現なのだろうが、何を表しているのか。

大人になるのはあっという間だよという意味なのだろうか。

 

それとも初体験のことを指してる…?

これは意図違いだとしたら、作詞者に大変失礼なため、書くのにも大変勇気がいるが書いてしまう。

歌詞を何度も読み、志村さんの他の曲での表現を考えると、無きにしもあらずなような。

ほら、瞬き3回する時間さえあれば、そういう意味での大人になれそうだし。

「わがままな僕らは期待を」という歌詞からも、自分はどうも連想してしまう。

大真面目に書いているのが自分でも恐ろしい。

 

まあ多分、大人になるのは直ぐだよっていう意味だったのだろう。大人になることに妙に期待をしている青少年たちなんだろうか。

難しい文学だ。

 


12.星降る夜になったら

非常に好きな一曲!

キーボードの金澤ダイスケさんがメインで作り、志村さんが一部助言により改編して誕生した。

非常にドラマー泣かせな曲。昔、軽音サークルにてコピバンをやった時に、ドラムを担ってくれた後輩が「腕がパンパンになってキツいです」と言っていたのが印象的。

 

この曲は疾走感があり、外を駆け出したくなる。

個人的にELLEGARDENの『スターフィッシュ』とメッセージが似ているように感じる。

この曲からは特に青春を感じる。

イントロから要所で聞こえるギターのワウの音が、これから何か変わるかも、

何か起こるかもという期待を増幅させているように聞こえる。

間奏のキーボードのソロが物語が展開していることを予感させる。

ベースの加藤慎一さんのプレイも燻し銀で、全体を支えている。

 

ライブでは全員でコーラスをするのもまた良い。ライブでまた聴きたい。

 


13.TEENAGER

最後の曲でタイトルトラックが流れ出す。

軽快な曲調でこのアルバムは終わりへと加速していく。

 

10代の頃にこの曲を聴いた時にも親和性があったが、今30代に入ったこのタイミングで聴いても親和性があるなと思う。

 

自身が成長していないとしたら悲し過ぎるが、そうではないとしたら、本質的な部分は変わっていないのだろう。

 

大人になり、色々と経験したり、社会に揉まれていくと、守らなくてはいけないものも増えてきたように感じるが、

どこか無邪気に、突き抜けていく精神というものは忘れたくはない。

幾つになっても人の心ってものは読めないものだし、わからないのかもしれない。

経験から読み解いて推測することはできるだろうが。

 

曲途中のハンドクラップや、歌詞の合間で、ノリノリな志村さんの姿が目に浮かぶ。

 


終わりに

どのアルバムでもそうだが、このアルバムでも改めて曲を聴きながら文章を書くことによって、新しい発見があった。

 

もう10年以上聴いている曲たちなのに。

 

自分の読解力がないのは百も承知だが、それだけではきっとなく、

曲の奥行きがとてもあり、聞くたびに見方が変わる。

それは恐らく自身の経験が齢を重ねるごとに積み上がっていき、それによって曲の色も変わって見える。

 

この『TEENAGER』もとても魅力的な一枚である。

 

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アルバム紹介『TEENAGER』フジファブリック 前編

アルバム紹介『TEENAGER』フジファブリック 前編

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このアルバムは、フジファブリックといえばのあの曲や、奇想天外なあの曲など、バラエティーに富んだ一枚である。

このバンドを語る上で確実に外せない。

志村正彦さん(以下志村さん)の書く歌詞の特徴だと思う「時間の経過」を色濃く感じることができる。

そんなアルバムを自分なりに記してみたいと思う。

 


1.ペダル

綺麗でどこか儚いアコースティックのアルペジオの音色で幕が上がる。

「ボーッ」という音のハウリング?で曲に奥行きを感じるのも特徴。

徐々に足されていくエレキギターの音などで華やかさもある。

 

「あの角を曲がっても消えないでよ」とは、時間の経過による忘却のことなのか、

それとも何かを追いかけているのだろうか。

 

「そういえばいつか語ってくれた話の 続きはこの間 人から聞いてしまったよ」

日常で聴きそうなフレーズだが、この曲の展開から考えるに切ない。

そんな気がする。

 


2.記念写真

なんとも不思議な、それでいてフジファブリックっぽいと形容できる音色から始まる。

作曲は現ギターボーカルであり、この時はリードギターであった山内総一郎さん。

 

明るめの曲調だが、歌詞の内容は儚い。エモいとも言えるかもしれない。

別れを題材としているが、サビの「忘れられたなら その時はまた会える」という表現にとても惹かれた。

 

ただ単に友達との別れだったなら、また再会すればいいと思う。再会したいと思えるならば。

きっと、何かもう会えない理由がある2人なのだろう。

関係性が完全にリセットされて、初対面に戻ることができるのならば…。

 

1番では小さな野球少年だったのが、2番では大きくなっており、ここでも時間の経過を感じることができる。

 

時間が経過した時に、大きくなった野球少年は何を感じるのだろうか。

 

写真の中に映る「染められた君」を見たのなら、何を思うだろうか。

 

感情の跡が残る写真を見て、どのように感情は動くのだろうか。

 


3.B.O.I.P.

この曲も「記念写真」同様、山内さん作曲である。

 

なんの意味を表しているタイトルなんだ?と思うが、

意味はどうやら『Battle Of Inokashira Park』の略ということらしい。

 

井の頭公園のスワンボートでレースする様を、男女の恋模様のデッドヒートと掛けているのだろうか。なんともノリノリな曲である。

 

一度完全に終わったと思わせて、その後また巻き返してくるのが面白い。

 


4.若者のすべて

今やフジファブリックといえば『若者のすべて』だろう。知名度が断トツ。

夏の名曲として何度も耳にすることができる。

 

そして今や高校生の音楽の教科書に載っているとか。なんと幸せなことだろうか。

www.kyogei.co.jp

 

「すっげぇー良い曲で、大好きで、だからこそ悔しくもあった」。

(引用:フジファブリックの赤富士通信R 号外)

と、あのMr.Children桜井和寿さんに言わしめた名曲。

 

自分の大好きな『赤黄色の金木犀』同様、

過去に別れた誰かに対し、もし会えた時のために言葉を伝える心の準備をしている。

 

時間の経過により忘れてしまうという表現が見られる曲もあるが、

この曲では、花火を見ると「何年経っても思い出してしまう」といっている。

 

大きくなるにつれて、細かな描写、出来事は色褪せていくかもしれないが、

全てを忘れるわけではない。特に印象的な出来事は。忘れるわけがない。

 

この曲でも曲中の人物が成長していることが表現されているが、その表し方が

「世界の約束を知って それなりになって」

である。この一文に色々と詰まっているように感じ、胸をギュッと掴まれる。

 

時間の経過については、街頭の明かりが点くという表現でもわかる。

表現がいくつあったんだ、志村さんは。

 

なんとも形容し難い、大人になりきれない若者の焦燥感や息苦しさを、哀愁すら感じさせるメロディーが包んでいく。いくつ歳を重ねても何か考え、感じさせてくれる。

 

色褪せるわけがない、名曲。

 


5.Chocolate Panic

アメリカのバンド『Jellyfish』のメンバーだったRoger Joseph Manning Jr.氏と志村さんの共作。どのような繋がりがあったのだろうか。

 

そしてこの曲自体、なんとも摩訶不思議な世界観。

どのようにしてこの歌詞が出来上がったのか知りたいけど、知りたくない気もする。

凄いテンション高いときに作ったのだろうか。

サビで擬音を多用するのが志村さんらしさを感じる。

 


6.Strawberry Shortcakes

5曲目の『Chocolate Panic』とは違った路線の不思議曲である。

キーボードの音色が要所でとても効いていると感じた。

 

歌詞を見ながら聴くと、君を見ている描写が面白いことに気がついた。

曲中の二人は対面して会っていると勝手に思い込んでいたが、左利きであることに違和感を感じる状態ということは、窓越しに横並びに座っている状態を見ているということなのかもしれない。

言葉遊びにブログを書きながら気がついて感服した。

 

「もひとつ僕のイチゴを食べてよ」という表現に、

『唇のソレ』でも見られたようなフェティシズムなものを感じた。

 

いや、それは曲解しすぎなのかも?イチゴが好きな貴方に食べて欲しいという気持ちかもしれない。

 

皇居を見下ろせるホテルっていくつか浮かぶな。

 

 


終わりに

他のアルバム紹介同様に、文字数が多くなり過ぎてしまうため、一区切りを入れたいと思う。

 

若者のすべて』を書き表すのに数時間要したが、なんて難しい。

聴いたことがない方がもしいらっしゃったら、是非聴いてみてほしい。

もしかすると、忘れられない一曲になるかもしれない。

 

追伸

全然関係ないですが、何となくこれまで書いた記事のURLを変えてしまったところ、いただいた全てのイイねが消えてしまいました。

申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

 

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Apple Musicで今年(2022年)聴いた曲は?

Apple Musicで今年(2022年)聴いた曲は?

TOP5

仕事納めをしたということで、今年一年聴いた音楽を振り返ってみたいと思う。

Apple Music内で勝手に集計してくれていたため、非常にわかりやすくありがたい。

music.apple.com

 

今年は2,706曲も聴いたらしい。なんて膨大な数字!

サブスクリプションでなければここまで様々な音楽に触れる機会もなかったはず。

本当に有難い。アーティストはCD売れた方が利益になるだろうけど。

その分ライブ行って、グッズにお金落としますので。。。

 

自分はシャッフル機能で聴くことが圧倒的に多いため、その中でも個別に聴いた曲上位5曲が並んでいる。

 


5位:Brother-mabuta

埼玉秩父の4人組ロックバンドmabutaから一曲。

親友から紹介→ライブに誘われたことをきっかけに今年知ったバンドである。

このバンドは曲毎に色(曲調)が幅広く聞き応えがあって良い。

 

ライブに行くにあたり、配信されていた曲全てを聴いた中で、この曲が断トツで刺さった。

冒頭のメロディーから切なくてエモく、全体通してかなり好みの音を鳴らしている。

メッセージ性も強いように感じ、何度も繰り返し聴いたため、5位にランクインした。

 

過去のインタビューを読んだところ、メンバー共通でLOSTAGEが好きというのも頷ける。

 

ライブも非常に良かった。これからさらに飛躍してほしいと願うバンド。

 


4.なんでもないよ、-マカロニえんぴつ

昨年11月にリリースされた一曲。

自分が知ったのはその翌月に行った年末フェスにて。

話題になり始めていたし、Youtubeのオススメ欄にも出ていたが、一度も曲を聴かずにライブで初聴きした。

 

泣いた。こんなにも涙が出るのかというくらいにライブを見て泣いた。

 

感情が揺さぶられる、高まるライブはこれまで見れてこれたし、

そういった瞬間に立ち会いたくてライブに足を運んでいるところもあるが、

「初めてライブで聴いた曲」で泣いたのはこの曲が初めてだった。

 

もし自分の人生での「恋のキューピッド」が曲だったとしたら、コレなのは間違いない。

恋愛面での「人生変わった一曲」を選ぶとしてもコレ。

そのくらい多大な影響を与えてくれた。

 

タイトルも趣深い。その句読点の先には?想像させる。

この時いくつもタイアップ曲を出していたマカロニえんぴつだが、この曲はあえてタイアップにしなかったと聞く。その選択に天晴れ。

 


3.Strawberry Margarita-ELLEGARDEN

 

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過去記事にて感想を軽く書いているので、もしよろしければ是非。

今年下半期中にエルレが2曲先行配信を行ったが、配信されるたびに数日間かけて何度もリピートした。

アルバムも何往復もしているため、数日後には再生数ランキングがエルレ独占もあったかもしれない。

 


2.バニラ・スカイ-w.o.d.

ここ数年で知ったバンドの中では間違いなく一番ハマった「w.o.d.」より一曲。

 

このバンドは元々「1994」という曲でハマり、何度も聴いていた。

あ、ライブ行こう!という気持ちにもなり、複数回ライブを見に行ったりもした。

 

日本語でこんなにもカッコいいグランジロックのバンドがいたのかと衝撃を受けたのだが、

バニラ・スカイ」でまた違う世界観の曲を出してきてびっくり。

 

爽やかで切ない、綺麗なメロディー…こういう曲が今の日本の音楽シーンで鳴っていることが救い。

ライブでこの曲を聴いた時に、「ああ、このバンドはもっと売れてほしい」と純粋に思った。既にZeppクラスでライブをやっているバンドではあるが。

 

どの曲もカッコいいため、聴いたことないという方は是非聴いてみてほしい。

 


1.Mountain Top-ELLEGARDEN

今年一番聴いた曲は先行配信1曲目だった「Mountain Top」。

もう自分にとっての今年一年はELLEGARDEN一色だったと言えるかもしれない。

9月9日にライブでこの曲を聴いた後すぐに配信されたため、そこから3ヶ月何度も聴いた。

 

来年もしまたツアーをやるのならば、今度こそ行きたい次第。

チケットお願いします。

 


余談

6〜10位はほとんどELLEGARDENの新アルバム曲が占める中、フジファブリックの「茜色の夕日」がランクイン。

今年もフジファブリックは心の支え。

 

聴いたアーティスト・バンド順に並べると

1位:ELLEGARDEN 605分

2位:COUNTRY YARD 338分

3位:Copeland 288分

4位:フジファブリック 287分

5位:BUMP OF CHICKEN 265分

6位:マカロニえんぴつ 201分

7位:The Rolling Stones 194分

8位:MOROHA 188分

9位:LITE 186分

10位:Slipknot 179分

という結果だった。

 

個人的にはストーンズそんなに聴いてた!?と驚きの結果内容。

実は自分が考えていた以上に好きなのかもしれない。

それかシャッフルで登場回数が多かったのか。

 

皆さんは今年一年聴いた音楽はどうだったでしょうか。

振り返ってみるのもおもしろいかもしれません。

Furch G25-CRCT - My アコースティックギター紹介(出会いについて)

Furch G25-CRCT - My アコースティックギター紹介(出会いについて)

FURCH G25-CRCT

このギターを買った経緯

数年前よりアコースティックギター(アコギ)にハマり、エレキギターよりも自宅で弾く回数が圧倒的に増えた。

 

ハマった理由としてはMOROHAの音楽に影響されたことが大きい。

 

 

社会人になってから聴くMOROHAの曲は刺さりすぎて危険。本当に良い曲が多く、何度も何度も聴いた。今でもライブ行くし、曲も頻回視聴する。

 

このMOROHAのギターを弾くukさんが扱うのがFurchというチェコ産の(上記画像の)ギターだった。

 

自分はギターを購入する際に音よりも見た目で入りがちだが、このギターはドストライク。

ただ値段が高い。新品ではオーダーしか扱っておらず、このG25というのは最上級モデル。作ろうとしたら50万は余裕で超えてくる。

自分には過ぎた代物だと諦めていた。

 

そんな中2017年の7月、夏のボーナスが入ったことを理由に

何となく「Furch G25」をネットで調べてみると…全然出回っていない。

 

それもそのはず、MartinやGibsonと比べると知名度は高くないしなと諦めようと思ったところ、ukさんが持つギターと同色がヤフオクに1本だけ出ていた。

(G25の別色はいくつかギターショップに出回っていたが)

 

これまでヤフオク等オークションは触れたことがない、落札までのノウハウがない自分には無理だと思いつつ、思いつつも、どうしても目が離せない。

 

どうせ敵わないのならば、気楽に挑めば良いのではないか。ボーナスも出たばかりだしと前向きに臨んでみた。

 

落札30分くらいまでは10万前後だったのが、一気に加速する。簡単に20万を突破。

勢いが予想よりも凄く緊張が高まる。

 

当時、ギターショップに出回っていた別色・同素材のもので35万で売られていたため、その金額前後までは挑むつもりで無我夢中になった。

 

 

 

 

気がついたら、28万と少しのところで、自分が落札していた。

 

どういう仕組みだったのか未だにわかっておらず。なぜその金額のタイミングで急に入札が入らなかったのか。

 

落とせるときにはスッと落札できるものなのだろうか。それとも運命?

 

 

よく分からないため「えええええええええ」と自室で絶叫しつつも、素晴らしいギターの所有者になるというワクワク感で一杯だったのを覚えている。

 

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いつかの12月24日、フジファブリックの志村正彦さんを追い求めて富士吉田市に行った話

いつかの12月24日、フジファブリック志村正彦さんを追い求めて富士吉田市に行った話

 

世間一般でいう12月24日といえば「クリスマスイブ」だろう。

 

しかし、自分の中では、2009年12月24日を境に、全く違う日にしか映っていない。

 

 

12月24日はフジファブリック志村正彦さんの「命日」である。

 

そのため、この日はクリスマスソングは一切聞かず、フジファブリックの曲ばかり聴くという日々を何年も続けている。

 

ただ、記事を書くにあたり、「命日」ということに焦点を当てて進めていくというのは悲しいものがある。

そこで、2014年12月24日、初めて志村さんの故郷、富士吉田市に行った記録を思い出す限りで書いてみたい。

 


2014年12月24日 確か快晴。

割と朝早くから新宿から高速バスに乗り、富士吉田市河口湖駅まで向かった。

みんな富士山や富士急ハイランド目当てな様子だった。

 

河口湖駅からどう行ったら良いかも分からず、とりあえず富士山駅を経由して

月江寺駅まで向かった。

確かこの駅にこれが置いてあった。

下吉田てくてくMAP〜志村正彦編〜

このMAPを手に入れてからは、MAPの箇所を巡ったと記憶している。

右上の方にあるのが「月江寺駅」だが、近くには富士吉田市民会館-富士五湖文化センターがあり、ここは2008年の感動的な凱旋ライブが行われた会場だったりする。

そんな場所とか地図を片手にテクテクと一人巡った。

市内では何人かフジファブリックのファンの方々とすれ違った気がする。

 

市内は静かで穏やか。道ゆく人が挨拶を交わしてくれるのは都会では感じにくい一幕。

 

とある道でおじ様に「君はフジファブリックのファンの方?」と声をかけられたため、

「あ、そうです!」と返したところ、「そこのお店の跡地あるだろ?そこは正彦くんの昔の実家だよ」なんて教えてくれたりした。

あの方は志村さんのことを昔から知っている方だったのだろう。そんな出会いがあったりした。

 

また、一ファンながら恐れ多くも、志村家の墓参りにも行かせていただいた。

事前に、ファンからのお供物が多くてすぐに分かると聞いていたが、

実際に行ってみると、本当に多くのコーラで埋め尽くされており直ぐに分かる状態だった。

 

初めは自分もコーラを持って行こうと思ったが、考えに考えた末、志村さんの大好きだった

アメリカンスピリット メンソールライト9mg」を持っていくこととした。

自分が供えた時には他にも何箱か添えられていた。

手を合わせながら、フジファブリックがいかに好きかを念じ続けた。

 

ちなみにお供物用のタバコを買ったついでに、好きだったタバコの味はどんなものなのかと試しに吸ってみた。

咽せた。

後から思えば、非喫煙者がいきなりタール9mgは重すぎる。

ただこの日から段々と喫煙者となってしまったのは余談である。

「好きなアーティストに憧れて同じ銘柄を吸う」というやつを実行してしまった。

 

また、言うことでもないなと思い、ほとんど誰にも話したことがなかったが、

大学生の頃、軽音サークルにてフジファブリックの曲をコピーする際には、

ライブ前かライブ後のどちらかに必ずお墓参りに行った。

毎度報告にくるこいつは何なんだと空から見られていたら申し訳ない気持ちでいっぱいだが、

ただただ伝えに行きたかった。その一心だった。

 

2014年12月24日から年々行く度に、アメリカンスピリットのお供物が減っていったのは時代の流れだったのだろうか。志村さん本当に好きだったと聞くから、自分はコーラよりもタバコを供え続けた。

 

その後お昼ご飯はここに行った。

吉田うどんのお店

吉田うどんは太麺でコシが強く、食べ応えがある。大好きな麺類の一つ。定期的に食べたくなる。

 

そしてこの「しんたく」さんの近くにある新倉富士浅間神社へ。

 

この場所はフジファブリックの「浮雲」という曲に出てくる「いつもの丘」である。

 

野球少年が足腰を鍛えていたのが印象的だった

この果てしない階段を登っていくと見える景色が

忠霊塔と富士山

この絶景である。

写真からでも富士山の雄大さを感じるが、現地では比にならないくらい大きい。

 

2014年時点では今ほど有名な場所ではなかったと思う。

どうやら、この後外国人向けのガイドブックに載ったらしく、年々行くたびに外国人旅行客が増えたため、この上記の写真みたいに誰も映っていないものは撮りにくいかもしれない。

 

この場所がとにかく素晴らしく、陽が落ちるまで滞在した。

忠霊塔と富士山2

ここで、この時期限定での防災チャイム(フジファブリックの「茜色の夕日」)を聴いた。

この日集まったフジファブリックファンの人たちも、この町のどこかで聞いていたのだろう。

 

その後は富士急ハイランド横の温泉施設にて温泉を少し堪能し、高速バスにて帰宅。

 

 

この町が気に入りすぎて、親友に紹介したり、一人でフラッと行ったりと、

人生で複数回訪れている。

 

ぜひ一度富士急ハイランドに行く目的以外にも、富士吉田市を訪れてみてほしい。

特に新倉富士浅間神社は一度は行ってみる価値があると自信を持って言える。

 

外国人観光客の間で有名になろうが、自分はこの場所を知ることがなかったと思う。

富士急ハイランドのある所という認識で終わっていたはず。

富士吉田市という発見をくれたという意味でも志村さんには感謝している。

 

 

最近は行けていないため、そろそろまたフラッと行きたい。富士山が色々な思いをきっと受け止めてくれる。

 

 

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ELLEGARDENが新アルバム『The End of Yesterday』をリリースしたので、

ELLEGARDENが新アルバム『The End of Yesterday』をリリースしたので、

2022年12月21日、あのELLEGARDENの新アルバムがリリースされた!

 

アルバム制作が発表されてから、この日を待ち望んでいた音楽ファンは自分だけではないはず。

 

ELLEGARDEN自体についても交えつつ、待望のアルバム『The End of Yesterday』について好き勝手書いてみたいと思う。

 

 

そもそもELLEGARDENとは

細美武士さん(ボーカルギター)、生形真一さん(リードギター)、高田雄一さん(ベース)、高橋宏貴さん(ドラム)の4人からなるロックバンド。千葉県で結成。

 

2008年9月7日のライブにて活動を休止。

 

活動休止後には

細美さんは「the HIATUS」「MONOEYES」「the LOW-ATUS」など

生形さんは「Notheng‘s Carved In Stone」

高田さんは「MAYKIDS」(「MEANING」も2018年まで活動)

高橋さんは「THE PREDATORS」「PAM」と別バンドの活動があった。

 

その後2018年に活動再開

メンバーそれぞれ別バンドの活動をしつつ、ELLEGARDENとしてもライブ・フェスに出演しつつ、2022年アルバムの制作を開始。

 

そして2曲の先行配信リリースを経て、2022年12月21日に新アルバムをリリース。

 

ELLEGARDENと私

自分がELLEGARDENと出会ったのは2008年。

高校生になりライブハウスに行き始めると、友人の影響もあり色々とバンドの曲を聴き始めたタイミングで聴き始めた。

 

ライブに行き始めたタイミングで活動休止となったため、ELLEGARDENの音楽にハマり出した時にはCDとDVDでしか触れられない存在となっていた。

 

COUNTDOWN JAPAN0910に行った際には「the HIATUS」と「Nothing's Carved In Stone」が同日出演していたため、生演奏を聴くことができ、この2バンドにもハマったが、細美さんと生形さんを知れば知るほど、ELLEGARDENのライブを見るまでは死ねないな、なんて考えたりもした。

 

18歳になった頃、本格的にエレキギターを弾き始めたのだが、

そうなると必然的にELLEGARDENの曲は練習することになる。

理由としては、初心者でも比較的弾きやすい曲が多く、なおかつかっこいい。

 

ギタリスト目線で改めて曲を見ていくと、「シンプルなのになんでこんなにもかっこいいんだ!」と愕然とする。

更にギター初心者なりに追求していけばいくほど、生形さんのギタープレイには目を奪われ、いつの間にか大好きなプレイヤーとなっていた。

 

自分にとってのギターヒーローの一人が「生形真一」さんとなっていた。

生形さんが使うギターはセミアコースティックギター(セミアコ)と呼ばれるもので、ギター内部が半空洞となっている。音を歪ませるとハウリングしがち。ジャズやブルースで使われることが多い印象だが、生形さんが日本のバンドシーンで使い続けたことにより、この楽器に対する印象を変えていったと思われる。

(海外アーティストではOasisのノエルギャラガーやフーファイターズのデイヴグロールが使用している)

憧れから、大学生の頃にEpiphone社のセミアコのギターを買ったが、最近エレキギターを弾かないため、壁にかけてお部屋のインテリアとなっている。

 

話が少々脱線したが、そんなELLEGARDENが2018年に再始動。

当然ライブに行きたかったわけだが、どうにもこうにもチケットが当たらない。

そのため、2018年8月15日にZOZOマリンスタジアムの外まで音漏れを聞きに行った。

落選した人が多かったのか、会場外にももう一会場余裕で埋められるでしょ(笑)というくらい人が集まっていた。

野外会場のため、曲とかは聞こえてくるが、会場の熱気は感じることは当然できず、ただただ虚しく悔しかったことを覚えている。

 

そのため、2019年にフジロックELLEGARDENを見ることができた時には、泣けたことを思い出す。一番好きな曲が「Fire Cracker」なのだが、その曲始まりでぶち上がるライブだった。これまで幾度となくコピーバンドの演奏は聴いてきたが、本家ともなるとこんなにも迫力が違うのかと。恐れ慄いた。

 

ちなみに今年、2022年は9月9日に開催された「AND OF FOUR-四節棍-」にてライブを見ることができた。9月9日に「No.13」を聴けるというのは何とも贅沢。当然ぶち上がる。

 

残念ながら、ワンマンツアーは全然チケットが当たらなかったため血の涙を流すこととなったが、また次の機会があるのならば祈りたいと思う。

 

バンドの活動が続いている限りはチャンスはあるはずだし。

 

またこのバンドが活動しているという事実がただただ嬉しい。

 

The End of Yesterday

リリースされてから、通しで何度も聴いてみた。

活動休止してから、また色々な経験を経て、多種多様な曲で彩られており、非常に聴くのが楽しいアルバムだった。

1.Moutain Top

先行配信リリース1曲目の「Mountain Top」にてアルバムの幕が上がる。

9月9日に行ったライブでの初お披露目を見ることができた曲だが、これまでの曲とは違う、けれども間違いなくELLEGARDENの音、新しい世界観を感じることができて心地よかった。

開幕に相応しい。

 

2.Breathing

詳しくないため、間違った感想を抱いていそうだが、

サビに入った際に起伏が少ないため、洋楽で見られる手法が用いられている気がした。

ライブで静かにノっている自分のイメージが湧いた。

 

3.ダークファンタジー

3曲目で日本語詩!

アコースティックギターから聞こえるマイナー調のアルペジオメロディーがとても好みだった。

静→動の展開が分かりやすい曲、大好き。静かに拳を高らかに突き上げるやつ。

 

4.Strawberry Margarita

先行配信シングル2曲目の曲。

ロディックパンクな内容で、非常にノレる。今年iTunesで相当な回数何度も聴いた特にお気に入りの一曲。

今回のツアーに行けていたらライブで聴けたと思うと惜しい。。。

 

5.Bonne and Clyde

この曲も「Breathing」と似たような表現が用いられている。

こういう曲調のものは何ていうジャンルになるのだろうか。今までなんとなく聴いていたため、いざ言語化しようとすると知らなくて書けないもどかしさ。

静かにその場で身体を揺らして聴きたい一曲。

 

6.瓶に入れた手紙

日本語詩2曲目。

印象的な生形さんのアルペジオメロディーリフに、細美さんの歌声が何度も聴きたくなる。

途中のギターソロがとてもかっこいい。

「星」というワードが出てくるというのもあり、「スターフィッシュ」のようなライブでの新定番曲となるのではないかなという期待がある。この曲も盛り上がりそう。

 

7.Firestarter Song

語彙力、表現力がないため、何度も同じ表現を使ってしまうが

この曲も静かに、自分本位にノリたい。

洋楽で見られる「コーラス」とは違うのかも知れないが、サビに入った際に起伏が少ない曲というのも良いものだなと改めて思う。

 

8.チーズケーキ・ファクトリー

印象的な歌詞「ティダ・ラ・バダ」とは何なのか。

調べてみると、スペイン語だとか。「toda la vida」と書くらしい。

日本語訳としては「一生」「生涯」。素敵なワード。

 

9.10am

今回のアルバムを通じてだと一番耳に残ったのはこの曲だった。

自分はメロディックパンクが好きなんだなと再認識。

サビとか間違いなく盛り上がるだろうなと。でも何となくだが、ダイブは少しし辛いかも?

何にせよ、早くライブで見たい。

その一言に尽きる。

 

10.Perfect Summer

この曲はカントリー調といっても良いのだろうか。

よく好んでカントリーミュージックを聴いているが、そのテイストに近いと感じた。

サビの「ジャッジャッジャ」っていうキレの良いギター音がまた良い。

 

11.Goodbye Los Angeles

「10am」で一番耳に残った曲と書いたが、この曲も並ぶくらい印象深かった。

タイトルからも察するに、細美さんの中でも想い出深い一曲なのではないかと推測する。

 

今回のアルバムは、メンバー4名とスコットマーフィー氏の5人でロサンゼルスにてレコーディングがなされている。細美さんに至っては、アルバムの曲作りの段階から渡米して作業している。

今回のロサンゼルスでのアルバム制作活動を「この人生で最後の大勝負をしよう、そう思って挑んだ旅」と細美さんのブログにて記されていた。

 

大人になり、現代社会の歯車の中にいると、旅をする、挑戦するというのが中々難しくなっていくように感じる。今は多種多様な生き方を選び輝いている方々も見受けられるが、自分のように何かレールに乗った人たちも多いわけで。

(私事の話では、営業の仕事を辞めて公務員試験に挑戦したのは、レールから一度外れて大勝負に出たと思っているが)

 

ELLEGARDENのメンバーたちも、色々な制約の中、取捨選択をして今回の挑戦をしたのだと思う。

 

そんな挑戦となる旅の一幕をブログから覗けたのは楽しく、また羨ましかった。

向上心なく日々をただ消費するのではなく、何かを追い求めていかないと楽しくないよなって。

 

当然このアルバムを締めくくるのに相応しい一曲で、気持ちよく聴き終えることができる。

終わりに

初めは新アルバムのことだけについて書こうと思ったが、

どうせならELLEGARDENについても追記しようと加えていったら、長文となってしまった。

 

音楽知識や語彙力が足りないと、したいような表現ができず。

特に今回のアルバムは多種多様な曲で構成されているからこそ、この曲はこういう曲調で、なんて文章で書けたら良いのに、言語化できていないことが多かった。

 

まあ単純に、何度も聞き返したくなる素晴らしいアルバムだった。

これに尽きるんだけども。明日も一順頭から聴いてしまうだろう。

 

この曲たちで構成されるライブツアーがあるならば是が非でも行きたい。

お願いします、チケット一枚、、、。

 

 

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アルバム紹介「FAB FOX」フジファブリック 後編

アルバム紹介「FAB FOX」フジファブリック 後編

FAB FOX

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前回の続き、7曲目からまた書き記す。

 


7.ベースボールは終わらない

非常に明るい始まり方をするこの曲。

キーボードとビブラートがかかったギター音が、のどかな休日を連想させる。

これは曲の内容を知っているからなのかはわからないが、理屈が分からず不思議に思う。

 

ボーカルギターの志村正彦さん(以下志村さん)が、ミュージシャンを志す前は野球少年だったことも、この曲ができた経緯としてあるのかもしれない。

 

この曲と後のクロニクルに収録の「Sugar!!」があるため、野球好きの人の知名度もあったような印象を受ける。

 

「あいつに当てよう」って多分ボールを当てるってことを指しているのだろうが、いたずらっ子な一面が顔を覗かせている。

 


8.雨のマーチ

「ベースボールは終わらない」とは一点、火曜サスペンスのようなザワザワっとする曲調がくる。

傘を差している様子を「傘が咲いた」と比喩表現したり、「ぽつり」や「ほろり」といった擬音が多用されていたりと、言葉選びが面白いと感じる一曲。

 

雨の滴る音と、涙が滴り落ちる音がかけ合わさってるのだろうか。

 

よく聴くとこの曲は失恋の曲なのかな。そうだとしたらさりげない。

自分の読解力の無さではこれまで違う曲に聞こえてたが、知った時から時が経って聴くとそんな気がしてきた。

 


9.水飴と綿飴

アコースティックギターの演奏が印象的な一曲。

この曲はリードギターで、現在はギターボーカルを務めている山内総一郎さん作曲。

 

 

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上記記事によると、自分が作った曲じゃないのなら新鮮な歌詞を載せようと「love you」というワードを入れたとか。それじゃあしっくり来ず、「嘘だよ」と入れたらフジファブリックらしさが出たと。

 

「嘘だよ」ってボカすところが味。甘酸っぱい情景が浮かぶ。

 


10.虹

5枚目のシングル曲である一曲。

「虹」というタイトルが付いた曲はこの世に数多くあれど、

自分の中ではフジファブリックのこの曲か、福山雅治さんの曲の2択である。

 

前奏の盛り上がりから、雨が上がって視界が晴れていく情景が浮かぶ。

 

雨に限定しなくても良いかもしれない。

心の中がモヤモヤ、暗いときにでも、この曲を聴くと明るく照らし、拓けた世界を創り出すきっかけになるかも。

そんな力を秘めている。

 

また、別に暗い気持ちに限定なくても良い。

ノリノリな時に聞けば、より前に進む気持ちにさせてくれる。

 

聴く人の心境・状況によって印象が変わる素敵な曲である。

 

曲の冒頭では「グライダー乗って飛んでみたい」と言っているが、

その後「グライダーなんてよして 夢はサンダーバードで」と曲中でより大きなものにすり替わっているのが何とも微笑ましい。

 

虹が架かっているという表現はよくみるが、「虹が曲がっている」って表現をする感性がとても好き。考えもしなかったなー確かに曲がっているけど、それを敢えて言うっていう。

 

この曲のMVの表現方法もユニークなため、是非見てみてほしい。

 


11.Birthday

 

(参照:フジファブリック 『FAB FOX』インタビュー | Special | Billboard JAPAN https://www.billboard-japan.com/special/detail/212

上記インタビューで志村さんが述べているが、アルバムとして楽しいのはこの曲とのこと。

 

アコースティックギターのコード弾きから始まり、終始ノリノリな雰囲気。

 

1番のサビが「みんなが待っている」から「急いで帰ろう」で

2番のサビが「明日が待っている」から「ゆっくり帰ろう」である。

 

特別な夜に主役である自分自身を待つ人々の元に「急いで帰る」が

特別な夜を堪能するという意味で「ゆっくり帰る」ということだろうか。

 

こんな比喩表現どうやったら思いつくのだろう。

 


12.茜色の夕日

この曲がなかったらフジファブリックは世に出ていなかったかもしれない。

志村さんが地元、山梨県富士吉田市から上京した18歳の時に作っている。

 

プロのミュージシャンを目指して、アルバイトしつつ合間を縫って曲作りの日々。

その葛藤の日々の中、音楽をあきらめて地元に帰ろうかと悩んでいた志村さんが、そのことを当時バイト先の先輩だった氣志團綾小路翔さんに打ち明けたところ、

「だったらこの曲(茜色の夕日)をくれないか」

と本気で頼まれ、実家に帰るのを考え直した という逸話がある。

www.barks.jp

 

昔自分はこの曲に心酔しすぎて、この曲は「志村さん」か「翔さん」か「民生(奥田民生)さん」が歌っているものしか聴きたくないと本気で思っており、大学生の頃に所属していた軽音サークルや関連サークルにて度々カバーされるこの曲を聴くことを良しとしなかったくらいである。

 

また自分自身、何度かフジファブリックコピーバンド演奏をしたことがあるが、この曲は選べなかった。

 

何を大げさなと捉えられてもしょうがない話ではあるが、大本気である。

 

時が経ち、今は菅田将暉さんを始め、フジファブリックに愛のある方のカバーも好きだし、自分自身カラオケで入れて歌えるようになった。

 

そんなこの曲、おそらく今ブログを書いているこの瞬間も、バンドにとって一番大切な曲は「茜色の夕日」だろう。

 

山内さんがギターボーカルとなり、バンドが再始動した後に、志村さん時代の曲も色々とライブで披露されているが、この曲だけは10周年の日本武道館でしか演奏されておらず、しかも志村さんの声(CD音源)にメンバーが演奏するという形だった。

 

 

この曲を聴いていつも実感するのは

ボーカルの上手さ≠感動する わけでもないのだなということ。

歌唱テクニックを駆使して歌い上げれば感動させられるというわけではなく、心の奥底に訴えかける熱いものがなければ響かない。

きっと志村さんの歌唱力はプロミュージシャンの中で見れば特別上手い部類ではなかったが、人々に訴えかける表現力があった。

 

この曲の歌詞としては、他の曲でも見られる「時間の経過」により大きくなった自分から見た「昔」が表されており、曲中での「子ども→大人」「夕焼け→夜」「隣にいる君→一人」「情熱→虚しさ」といった変化で感じることができる。

 

最後のサビに入る前に歌われている、

「僕じゃきっとできないな」「本音を言うこともできないな」「無責任でいい」「そんなことを思ってしまった」という恐らく過去の後悔。その後悔に対して「思ってしまった しまった しまった」という叫びにも聞こえる何かに毎度胸が締め付けられる。

 

フジファブリックといえば今や「若者のすべて」が特出されるが、同じくこの「茜色の夕日」も、万人に刺さる名曲なのは間違いない。

 

志村さんの命日が近いこの時期は、地元富士吉田市では防災チャイムがこの曲になっている。

(またあの街に行って、富士山見ながらビールを飲みたい。)

 

切なさの中に一筋の希望が見えるこの曲が、一人でも多くの人の耳に届くと良いなと切に願う。

 

忘れることはできないな。

 

 

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