赤黄色のバウムクーヘン

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アルバム紹介「FAB FOX」フジファブリック 前編

アルバム紹介「FAB FOX」フジファブリック 前編

FAB FOX

FAB FOX

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フジファブリックとの出会いの曲「銀河」も収録されたアルバムである【FAB FOX】。

全体的にポップでありつつも、しっかりロックバンドの音を鳴らしていて、聴いていて楽しい。

今作は前作「フジファブリック」の共同プロデュースとは違い、セルフプロデュースとなっている。

 

確かライブで初めて見た後に、直ぐCDをレンタルしてきて聴いた一枚だったような。そこはうろ覚えですが。

今の自分なりにこのアルバムの感想を書き記してみたいと思う。

 


1.モノノケハカランダ

ハカランダ※で作られたギターがケモノなのかモノノケなのか、それに化けてロックンロールを鳴らしているイメージの曲とのこと。

(参照:フジファブリック 『FAB FOX』インタビュー | Special | Billboard JAPAN https://www.billboard-japan.com/special/detail/212

※「ハカランダ」エレキギターの指板やアコースティックギターに使われるブラジリアンローズウッドという希少な高級木材

 

一曲目に相応しい、とにかく勢いのある一曲!

歌詞の内容がどうこうと言うよりは、メロディーや楽器の音にこだわりが詰まっていそう。

 

自分がギターを弾く人なので、ギターに注目してしまうことが多いのだが、

この曲の山内総一郎さん(リードギター)のギターソロがとにかくかっこいい。獣が唸っているような。これも技量が高いからよく映える。

 

イントロからもう虜。アルバムの素晴らしい幕開け!

 


2.Sunny Morning

1曲目の「モノノケハカランダ」より疾走感のある演奏・メロディーが続いたと思いきや、

サビでいきなり変化する。この緩急が癖になるかもしれない。

この曲のイントロもかなり好み。

 

曲の冒頭で「どこかに行くならカメラを持って」と歌っているのに、

曲の終盤では「どこかに行くならカメラは置いて」と変化している。

何かを伝えるならばカメラがなくとも、この身に刻んでいけばいいということを表しているのだろうか。

 

サビの「はい 快晴」がなんともお経っぽくて個人的にツボ。

 


3.銀河(Album Version)

自分がフジファブリックにどハマりするきっかけとなった一曲。

何度聴いても「何だこれ?」となる意味不明さ、歌詞もヘンテコ、なのにかっこいい、

癖になる。

 

この曲はメジャーデビューシングル4枚目の曲で、「冬」をイメージした冬曲。

雪、寒さ、マフラーといった「冬」を連想させる言葉を使用せず、寒空に視点を当てて「冬」を表現している。

夜空をイメージしてたら、サビで急にU.F.O.が出てきて世界観が独特だが。

 

昔亡くなる直前のインタビューで、ボーカルギターの志村正彦さんが

「例えば『君のことが好きだ』という歌詞があったとしたら、フジファブリックはそうは歌わないと思うんですよね。多分『君のことは嫌いじゃない』みたいな感じで歌うと思います。そうすることで好きともそうじゃないとも取れますよね。」

ということを語っていたが、この曲の歌詞もその考え方が色濃く反映されていると思う。

聴き手に委ねる、想像させる曲を生み出すのがアーティストだと個人的に解釈している。

だからこそ、志村さんがいた頃のフジファブリックが唯一無二で大好きなバンドなんだと改めて実感する。

 

イントロからきっと一度聴いたら忘れないインパクトを秘めている。

志村さんのカッティングが響きつつ、歌声のトーンは一定を保つというバランス。

キーボード金澤ダイスケさんのメロディーに、リードギター山内さんのワウがかかったカッティングがかかっていたりと、聴けば聴くほど発見があり味が出る。

 

ギターソロが好きすぎて、たまに一人、部屋で弾いたりする。

 

ただそれにしても、MVの世界観や独特なダンスとかは今見てもよくわからない笑

 

この曲は2009.12.13で聴いて衝撃を受けて以降、活動再開した後2012年のロックインジャパンでもう一度聞くことができた。今では昔同様にライブの定番曲となっている。

ただ、活動再開後すぐの「STAR」のツアーでは披露されなかったため、もう聴くことがないのかもしれないと思っていた。

だからこそ、あのギターイントロを聞いた時に泣きそうになったのを覚えている。というか泣いたかもしれない。

 

ちなみにMVはシングル版だが、Album Versionとの違いは、アウトロにコーラスがあるかどうかである。

 


4.唇のソレ

フジファブリック屈指の変態曲だと思うこの一曲。

志村さんが夢の中で作ったという話がある。The Beatlesの「Yesterday」みたいな。

夢の中で作ったのがこの可笑しなメロディーというのがなんか良い。

 

「唇の脇の素敵なホクロ」性癖丸出しな点を聴き手がどう判断するか。

 

初めて聴いたフジファブリックの曲が「唇のソレ」だった場合、それで関係性が終わるかもしれないくらい癖強。ハマったとしたらもうそれは大好きだと思う。

 


5.地平線を超えて


前に進む力をくれる…かもしれない一曲。

2009.12.13に見たフジファブリックのライブにて披露されていたみたいだが、そのライブでの記憶は残念ながら銀河しかなく…。それだけあの曲のインパクトが強かったということなのだが、あのライブの記憶が全部蘇ったら良いのになあと思ってしまう。

 

歌詞の内容は「進め!」という感じだが、メロディーが凄いアップテンポ!とか盛り上がる感じ!というわけではなく、淡々と進む歌メロに楽器音が彩りを添えている というのが個人的な印象。

中盤のギターとキーボードの掛け合いが綺麗。

 

他の曲もそうだが、噛めば噛むほど味が出るのスルメ曲。

 


6.マリアとアマゾネス

この曲も「地平線を超えて」と同様、ライブで聴いているらしいが…。自分の記憶力の無さを恨むばかり。

「地平線を超えて」を変態曲で挟むこのアルバム構成は狙っているのだろうか。

唇のソレはフェティシズムな表現だったが、こちらはマゾヒズムな一面を曝け出している。

 

陳腐なことしか言えないが、ロックだなーと思う。

 

ビカビカ鳴っているキーボードの音は「クラビ」というらしい。

ギターやドラムが目立つが、キーボード音がないと成り立たない。味気ないだろうなと思うと、支え方が良い。きっとバランス取るの難しかっただろうと考える。

全詩集でこの曲の歌詞を読むと、文豪の書いたマゾヒズム作品を読んでいるような感じ。

マゾヒズムを感じる作品を読んだことないですが。

 


終わりに

やはり文字数が多くなってしまったため、ここで一旦終える。

この後真剣にM-1を敗者復活戦から見るため、どこか時間を見つけて続きも書きたい。

 

アルバムの後半はシングル曲2つ、その中にバンドが恐らく最も大事にしている曲が含まれていたり、志村さんがこのアルバムの中で一番楽しいと表現した曲があったりと、自分の語彙力で感想書けるのか?という不安しかないが、書いてみるのが楽しみである。

 

 

 

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