映画『BLUE GIANT』は生きたライブだった。
遂に行ってきたBLUE GIANTの映画。
奇跡的にも1巻発売のタイミングで本屋で見かけ、何かに導かれるように買い、どハマり。
そこから現在の最新刊まで追い続けてきた一ファンとして、待望の映像化。
まさかの地上波アニメを飛び越え、いきなり映画化というのには驚かされたが、その分期待値も爆上がりしていた。
何だこれ!!!曲がかっこいい!!期待値は更に高まる。
作品としては120分、2時間ピッタリ。
その中に綺麗にストーリーを詰め込んでいると感心してしまった。
主人公の宮本大が全て中心で構成されているかと思いきや、ストーリーに関しては、ドラム初心者の玉田やプレイアビリティーには優れているが…の雪祈(ピアニスト)の成長に焦点が当てられているため見やすかったように思った。
自分は原作を読んでいるため色々と補完できるが、恐らく初見でも問題ない構成になっていた。
また、宮本大が山田裕貴さん、玉田俊二が岡山天音さん、沢辺雪祈が間宮祥太朗さんと実力ある俳優さんが声を当てていたのも注目すべき点だった。
正直、「これなら声優さん起用していた方が…いや集客に影響とかあるのかな」と素人が邪推してしまうこともあるが、このお三方は違和感がなく、且つ存在感を見せていたため良かった。
特に山田裕貴さんの演技が「宮本大」の印象そのままだったため、初めCM等で声を聞いていた時は声優さんが当ててるものとばかり思っていたくらいだった。
そして音に関しては何も言うことがない。
これはライブ。かなり上質の!
映画館に行ったと思っていたが、ライブハウスに行っていたようだ。
絶対に映画館で、尚且つ可能ならば音響が良い上映で見るべき作品。
演奏シーンはポップコーン食べてられないし、何なら多分呼吸することを忘れてたくらい。
特に最後のライブシーンは嗚咽まで出そうになった。
その感覚は(同じジャズ繋がりで)『セッション』を見た時の衝撃に通ずるものがあったかもしれない。
自分はこれまでの人生の中で、人より少し多めにライブに足を運ぶ回数が多かったと自負しているが、
それは心震わすものが見たいからに他ならない。
しかし残念なことに、毎回行くライブ全てで出会えるものではなかったため、10本、50本、100本とライブ会場に足を運び続けているのだと思う。
何ならライブに限らず、エンタメに触れ続けているのだと思う。
このライブは、気がついた時には自然と涙が出ていた。
それはもう、マスクがぐしゃぐしゃになり、池ができるのではないかというくらいに。
言語化したいから文章を書いているはずなのに、言語化できない何か。
理屈ではないのかもしれない何か。音から、作品からそれを感じて泣いた。
上原ひろみさん、馬場智章さん、石若駿さんの演奏に感謝。
この作品に携わっている方々全員に感謝。
良いものが見れた、感じることができた。
原作勢として、ラストのオリジナル展開でまた泣けた。
轟音上映も行ってみたいなあ。