アルバム紹介『アラカルト』フジファブリック
アルバム紹介『アラカルト』フジファブリック
これまで書いてきたフジファブリックのアルバムよりも前の作品となる『アラカルト』。
全詩集の順番に倣って書いていくとこの順番となった。
好きな料理を一つずつ頼むかのような、色とりどりの曲が並ぶアルバムで、後の作品と比べると若々しさも感じられて味がある。
1.線香花火
ギターのカッティングの音の気持ち良さと、儚いメロディーを味わえる1曲目。
このアルバムを発売したのはインディーズの20代前半の頃なのだが、世界観が既に確立されているように感じる。
イントロからグッと世界観に引き込まれる。
志村正彦さん(ボーカルギター)の声に哀愁が漂っていたり、音の選び方からなのだろうか、昭和テイストな作りとなっている。青年の若々しさ!があるような、ないような。
それもフジファブリックの魅力なんだろう。
個人的にはサビのメッセージの強さが好きな曲である。
2.桜並木、二つの傘
疾走感のある2曲目。
後に1stメジャーシングルの『桜の季節』のカップリング曲としてもリメイクされている。
歌詞が文学的でありつつ、妙に頭に残るメロディーが要所に散りばめられており癖になる。
途中「ドッカン、ガッシャン」と鳴っているのはドラムの何かなのだろうか?ドラムセットというよりドラム缶の音のように聞こえる何かが鳴っているのが面白いと思う。
メジャーデビュー時の同曲の音を聴き比べると、音の安定感が全然違う。
ただ、このアルバム当時の曲の雰囲気もまた良いと感じるのはファン心理なのだろうか。
3.午前3時
個人的にユニコーンの影響を感じる1曲。
何とこの曲はこのアルバムにしか収録されていない。
正直自分はアラカルト収録曲は他のアルバムで聴くことが多かったため、この曲の馴染みが非常に薄い。
マイナー調の音がなんだか胸をザワザワっとさせる。歌謡曲のテイストも感じる。
この頃から志村さんの内面はモヤモヤしてたのかもしれないと歌詞を見て思う。
4.浮雲
タイトルの通り、和のテイストが前面に出ている一曲。
歌詞の最初に出てくる「いつもの丘」は富士吉田市にある新倉富士浅間神社を指しているでお馴染みの曲である。
志村さんの地元であり、この曲の歌詞で知って行ったのは良い思い出である。
フジファブリックとの出会いがなければ、この景色との出会いもなかった。
気に入りすぎて友人を連れて何度も行っている。
気づけば今や外国人の訪れも多い場所となっていた。
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もしかしたら人を選ぶ曲なのかもしれないとは思いつつ、
日本の音、メロディーを存分に感じることができ好きな一曲。
5.ダンス2000
ノリの良い1曲。
今もなおライブで聴くことができる定番曲。
後の『アラモルト』や5thシングル『虹』のカップリングにも収録されているが、この頃は今よりも少しピッチが高いように感じる。
あと間奏のベースやキーボードのメロディーが違っていたりと、三者三様でいい感じ。
久しぶりにライブで聴きたいな。今月のライブで演奏して欲しい。
6.茜色の夕日
曲としての感想はこちら。
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後世に語り継がれるであろう名曲。
この時の方が曲のテンポが早く、バラード感が薄まっている。
また、キーボードの音色が感情を揺さぶってくる。
いつ聴いても泣ける。
志村さんの生声で聴きたかった。