アルバム紹介『フジファブリック』後編
アルバム紹介『フジファブリック』後編
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前回のこの記事の続き、6曲目から自分なりの感想を書いてみたいと思う。
6.TOKYO MIDNIGHT
5曲目の打ち上げ花火で弾け飛んだ後、また緩やかに始まるこの曲。
この全詩集を見ながら記事を書いているが、なんとこの曲の歌詞は4行(笑)
また不思議な奇天烈曲である。
パジャマでパヤパヤってなに?もう既に志村正彦さん(以下志村さん)の当時の年齢を追い越してしまっているが、未だにわからない。
もしかするとこれは一生わからないのかもしれない。
一つ間違い無く言えるのは、この独特な感性が多くのファンを魅了したのは間違いない。
7.花
6曲目のTOKYO MIDNIGHTで独特な世界観を見せてきたすぐ後に綺麗な曲である。
ハーモニカや優しいギターの音色、志村さんの歌い方、歌詞、どれもが心をざわつかせる。
この後の「赤黄色の金木犀」でもそうだが、昔の記憶が色褪せていく(忘れていく)ことに対して焦点を当てた曲となっている。忘れていくことを花の色褪せとかけているのはお洒落。
志村さんは日本語を綺麗に、文学的に表現できる貴重なアーティストだった。
色褪せていくことが良いとも悪いとも言っていない。そこの判断は聞き手に委ねている。
だからこそ心地良くて何度も聞きたくなるのかもしれない。
8.サボテンレコード
緩やか(Aメロ、Bメロ)→加速(サビ)→緩やか→加速と曲が展開していく。
この頃のフジファブリックとしては、もしかしたら全般通してそうなのかもしれないが、
最後長めのギターソロで締められる。
最後のサビ終わりの歌メロディが特に好き。「サボテン持って〜」の箇所。
志村さんの死後、2015年の日比谷野外音楽堂のライブにて披露されたこの曲。
当時の自分のTwitterを見返してみたら、行けなかったライブでサボテンレコードが演奏されたことを知って悔しいというツイートが発掘された。
またライブでやってくれないかなと願う一曲。
9.赤黄色の金木犀
シングル3枚目。四季盤の「秋」。
この曲はロンドンでマスタリングされたらしい。ビートルズに関わっていたアビーロードのエンジニア「スティーブルーク」氏が関わっていたとか。
フジファブリックをもし誰かに紹介するとしたら、絶対に薦める大本命の一曲。
「若者のすべて」や「茜色の夕日」よりも、真っ先にこの曲を伝えるだろう。
また、エモーショナルな気持ちになる曲、綺麗な曲、歌詞が素敵な曲など
どんな場面でもこの曲が真っ先に浮かんでしまうくらいに大好きな曲である。
自分は過去、10周年の日本武道館公演や、15周年の大阪城ホール公演等、何度かライブで聴くことができているが、毎回涙なしでは見れない。
願わくば志村さんの声でもライブを見てみたかったと思ってしまう。
この曲はギターが半音下げされているのだが、それがまた切ない雰囲気を演出している。
もうイントロのギターの音色を聞いただけで泣けてきそう。
また、志村さんの歌い方がまた感情を揺さぶってくる。
多分プロのアーティストの中ではもっと歌が上手い人が沢山いると思うが、
恐らく歌が上手い=感動するとは直結しないのではないかと思ってしまう。
人を惹きつける魅力のある歌声である。
この曲も「花」同様に、過去の思い出が色褪せていくことが表現されているが、
そのことを「いつの間にか地面に映った影が伸びて解らなくなった」と表している。
「時間が経過したこと」や「成長したことにより考え方が変わったこと」、「思い出が上書きされていっていること」という複数の意味がかかっているように感じる。
簡単に「天才」という表現は使いたくないが、志村正彦さんは「天才」だったとこの曲を聴くと特に実感する。日本語で歌詞を形成していくのは、文字数の関係で難しいと思うが、それを芸術的に昇華させることができる人物だったと思う。惜しい人を亡くした。
金木犀の香りがなぜだかしてくる気がするこの曲。
街中で金木犀の香りがしたら、この曲を思い出す。
年中聞いているが、特に秋になると必ず聞きたくなる。
10.夜汽車
赤黄色の金木犀によって高まった感情を、静かに、ゆらゆらと落ち着けてくれ
このアルバムの終わりに向けて流れていく。
アコギの音色と要所要所で入るキーボードの音、ドラムのタムやシンバルの音が耳に心地良い。
このアルバムの中でも特に、サボテンレコード→赤黄色の金木犀→夜汽車の流れが好きでリピートしてしまう。
それも、この曲での締まりが良いからなのかもしれない。
サビの「本当のことを言おう」という箇所は
幸せな内容の話なのだろうか、それとも?
終わりに
人様の作品の感想を文字に表すのは難しい。
難しいが、作者に敬意を込めながら、自分なりの表現で文字起こしするのは楽しかった。
書くことで新たな発見があった。
日本が誇るバンド「フジファブリック」の名盤「フジファブリック」
一人でも多くの人が興味を持って聞いてみて欲しいと願う。
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